要点まとめ
- 低用量ピルは、医師が適切と判断した場合にオンライン診療で処方されることがあります。
- 厚生労働省は、低用量ピルなどのホルモン製剤を、初診のオンライン診療で処方すべきでないと医師が判断し得る薬の例に挙げています。
- 避妊を目的とするOCと、月経困難症などの治療に使われるLEPでは、目的や費用の考え方が異なります。
- 料金は薬代だけでなく、診察料・送料・システム利用料などを含む総額で確認することが重要です。
- 料金だけで決めず、医師による診察、処方薬の説明、相談体制、必要時の対面診療まで確認しましょう。
「低用量ピルはオンラインでも処方してもらえる?」
「どのくらい料金がかかる?」
「病院へ行く場合と何が違うの?」
低用量ピルのオンライン診療を検討すると、このような疑問を持つ方もいるでしょう。
オンライン診療では、スマートフォンやパソコンなどを利用して、自宅などから医師の診察を受けられます。
ただし、低用量ピルは申し込めば必ずオンラインで処方されるわけではなく、患者の状態や薬の特性を踏まえて医師が処方の可否を判断します。
また、一口に「低用量ピル」といっても、避妊を目的とするOCと、月経困難症などの治療に使用されるLEPでは位置づけが異なります。
この記事では、厚生労働省、「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」、PMDAなどの一次情報をもとに、低用量ピルのオンライン処方、料金の見方、種類、診療の流れ、利用前の注意点を解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療・服薬判断を行うものではありません。服用については医師・薬剤師へ相談してください。
低用量ピルはオンライン診療でも処方されることがある
低用量ピルは、医師が適切と判断した場合にオンライン診療で処方されることがあります。

厚生労働省は、オンライン診療をスマートフォンやパソコンなどの情報通信機器を利用して行う診療としてルールを定めています。
オンライン診療の概要や利用時の注意点は、
厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
で確認できます。
オンライン診療では、メールやチャットだけで診療を完結することはできません。
また、医師がオンライン診療では適切な診察が難しいと判断した場合には、オンライン診療を中止して対面診療へ切り替えることがあります。
初診のオンライン処方では慎重な判断が必要になる
低用量ピルについて特に注意したいのが、初診からオンライン診療を利用する場合です。
厚生労働省が公開している
「オンライン診療で処方を受けるに当たって注意が必要なお薬一覧」
では、「全てのホルモン製剤(低用量ピルなど)」が、医師がオンライン診療の初診で処方すべきでないと判断し得る薬の例として挙げられています。
これは「初診では低用量ピルを一律に処方できない」という意味ではありません。
初診から安全に処方できるかどうかを、患者の状態や得られる医療情報などを踏まえて医師が慎重に判断する必要があるということです。
患者が低用量ピルの処方を希望しても、医師の判断によってオンラインでは処方されず、対面受診を案内される場合があります。
オンラインなら必ず処方されるわけではありません
低用量ピルを処方できるかどうかは医師が判断します。「簡単に処方してもらえるか」ではなく、必要な確認や診察が行われているかを重視しましょう。
オンライン診療そのものの安全性について詳しく知りたい方は、
ピルのオンライン診療は危険?安全なクリニックの見分け方と注意点
も参考にしてください。
低用量ピルのOCとLEPは目的や位置づけが異なる
低用量ピルを選ぶ前に、避妊目的のOCと治療に使われるLEPの違いを理解しておくことが大切です。
一般に「低用量ピル」とまとめて呼ばれることがありますが、OCとLEPでは主な使用目的や承認されている効能が異なります。

OCとLEPって、何が違うの?
| 種類 | 名称 | 主な位置づけ |
|---|---|---|
| OC | 経口避妊薬 | 主に避妊を目的として使用 |
| LEP | 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬 | 月経困難症などの治療に使用される製剤がある |

日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の
「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」
では、OC・LEPの処方や月経困難症の治療について詳しく整理されています。
同ガイドラインでは、月経困難症に対して保険適用が認められているLEPがあることも示されています。
一方で、避妊目的のOCと、疾患の治療として処方されるLEPでは費用の扱いも異なります。
薬の名称や価格だけを見て自分で選ぶのではなく、避妊なのか症状の治療なのか、受診目的を医師へ正確に伝えましょう。
低用量ピルのオンライン処方にかかる料金の見方
オンライン診療の料金は薬代だけを比べず、診察料や送料を含めた総支払額で確認する必要があります。
低用量ピルのオンライン診療では、医療機関や利用するプランによって料金体系が異なります。
自由診療の場合、主に次のような費用がかかることがあります。
- 低用量ピルの薬代
- 初診料・再診料
- 配送料
- システム利用料など
サイト上に「1シート○円」などと表示されていても、その金額だけで診療から薬の受け取りまで完了するとは限りません。
診察料が別途必要な場合もあれば、配送料やその他の費用が加算される場合もあります。
比較するときは「薬代がいくらか」ではなく、実際に毎回いくら支払うことになるのかを確認しましょう。

初月料金だけでなく2回目以降も確認する
定期配送のあるサービスでは、初回のみ割引価格が設定されていることがあります。
その場合は、
- 初回の支払額
- 2回目以降の支払額
- 送料
- 配送周期
- 解約期限
- 最低利用回数の有無
なども確認しましょう。
「初月が安い」という理由だけで判断すると、継続した場合の総額が想定より高くなることがあります。
国民生活センターも、オンライン診療後に処方薬が定期購入となるケースについて、契約内容や解約条件を事前によく確認するよう注意喚起しています。
詳しくは、
国民生活センター「オンライン診療のトラブルにご注意」
をご確認ください。
オンライン診療サービスごとの薬代・診察料・送料を同じ条件で比べたい場合は、低用量ピルオンラインで安いのは?診察料・送料込みの総額を比較をご覧ください。
また、エニピルでは低用量ピルのオンライン診療に対応しており、診療費とは別に初回のシステム利用料や送料がかかります。料金や取扱薬、解約条件はエニピルの口コミ・評判|低用量ピルの料金・種類・解約条件を調査で詳しく整理しています。
※自由診療です。医師の診療によりお薬を処方できない場合があります。料金・取扱薬・配送条件は変更される場合があります。
保険診療になるかは受診目的や診断によって異なる
月経困難症などについて診察を受け、保険適用が認められているLEPが治療目的で処方される場合には、保険診療となることがあります。
一方、避妊を目的とする場合とは費用の考え方が異なります。
保険適用になるかどうかを利用者が自由に選べるわけではなく、診断や処方される薬の適応などによって決まります。
症状がある場合は「安く処方してほしい」とだけ伝えるのではなく、どのような症状があるのかを医師へ相談してください。
オンライン診療を含むピルの保険適用条件について詳しくは、ピルはオンラインでも保険適用できる?低用量ピルの保険診療・自費診療の違いを解説をご覧ください。

初月の安さだけでなく、2回目以降の料金・送料・解約条件まで含めて確認しましょう。
低用量ピルをオンラインで処方してもらう診療の流れ
一般的には医療機関を選び、予約・問診・本人確認・医師の診察を経て処方の可否が判断されます。
厚生労働省では、オンライン診療を受診する場合の標準的な流れを案内しています。
実際の手順は医療機関によって異なりますが、おおむね次の流れで進みます。
- オンライン診療に対応する医療機関を確認する
- 診察日時を予約する
- WEB問診などへ必要事項を入力する
- 本人確認を行う
- 医師によるオンライン診療を受ける
- 医師が処方の可否や薬を判断する
- 医療機関や薬局の案内に従って薬を受け取る

オンライン診療を利用する際には、パソコン・スマートフォンなどの情報通信機器に加え、本人確認書類が必要です。
厚生労働省では、本人確認書類としてマイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどを例示しています。
保険診療の場合には健康保険に関する確認も必要です。

喫煙や片頭痛、服用中の薬も問診で伝える必要があるの?
問診では既往歴や喫煙状況などを正確に伝える
低用量ピルの処方では、問診内容が重要です。
日本産科婦人科学会の2023年ガイドラインに掲載されている「OC・LEP初回処方時問診チェックシート」では、次のような事項を確認しています。
- 年齢
- 身長・体重
- 血圧
- 喫煙状況
- 妊娠の可能性
- 片頭痛などの症状
- 既往歴
- 服用している薬
オンライン診療でも、都合の悪い情報を省略せず、現在の体調や病歴、喫煙状況、服用中の薬を正確に伝えてください。
お薬手帳がある場合は手元に用意しておくと確認しやすくなります。
薬の受け取り方法は医療機関によって異なる
診察後の薬の受け取り方法は、医療機関や処方方法によって異なります。
厚生労働省は、オンライン服薬指導を受けた後に薬局から薬を配送してもらう方法などを案内しています。
一方で、医療機関や薬局へ出向く必要がある場合もあります。
詳しくは、
厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
をご確認ください。
発送日や到着日は、診察時間、処方方法、配送地域などによって変わるため、利用前に確認しておきましょう。
低用量ピルのオンライン診療で確認したい6つのポイント
料金の安さだけで選ばず、医療機関・診察方法・薬の説明・総額・相談体制・対面対応を確認しましょう。
オンライン診療サービスを利用する前に、少なくとも次の6点を確認しておくことをおすすめします。

迷ったら、医療機関・診察方法・薬の説明・総額・相談体制・対面対応の6点を確認しましょう。
診療する医療機関の情報を確認できるか
サービス名だけではなく、実際にどの医療機関が診療を担当するのかを確認しましょう。
医療機関名、所在地、問い合わせ先などが分かるか確認してください。
厚生労働省では、オンライン診療を実施している医療機関を確認する手段として「医療情報ネット」なども案内しています。
医師による診察が行われるか
オンラインで申し込めるからといって、問診フォームへ入力するだけで医療としての診療が完了するわけではありません。
厚生労働省は、メールやチャットだけで診療することはできないと明記しています。
医師が診察し、患者の状態を確認したうえで処方を判断する仕組みなのかを確認しましょう。
処方される薬について説明を受けられるか
低用量ピルには複数の製剤があります。
薬の名称だけではなく、
- 何のために処方されるのか
- どのように服用するのか
- 主な副作用や注意点
- 飲み忘れた場合の対応
などについて説明を受け、不明点を医師や薬剤師へ確認できることが大切です。
薬代以外を含む総額が明確か
薬代が安く見えても、診察料、送料、システム利用料などを加えると総額が変わることがあります。
定期配送の場合は、2回目以降の料金や解約条件も確認しましょう。
処方後に相談できる体制があるか
低用量ピルは継続して服用するケースがあるため、処方後の相談体制も確認したいポイントです。
体調変化や服用方法について疑問が生じた場合に、医師・薬剤師などへ相談できる仕組みがあるか確認してください。
必要時に対面診療へ切り替えられるか
オンライン診療ですべての状況に対応できるわけではありません。
オンラインだけでは十分な情報を得られない場合や、検査・身体診察が必要な場合には、対面診療が必要になることがあります。
オンラインだけで完結することより、必要なときに適切な対面診療へつなげてもらえることを重視しましょう。
料金・取扱薬・診察方法をサービス別に比べたい場合は、低用量ピルのオンライン診療おすすめを比較|料金・取扱薬・診察方法で選ぶをご覧ください。
低用量ピルをオンラインで処方してもらう前の注意点
低用量ピルには服用できない場合や重大な副作用もあるため、自己判断せず医師の診察を受けましょう。
OC・LEPは、誰でも服用できる医薬品ではありません。
日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」では、OC・LEPを処方する際に問診チェックシートを用い、禁忌や慎重な判断が必要なケースを確認することが示されています。
日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」
既往歴・喫煙状況・片頭痛などを正確に伝える
OC・LEPの処方では、血栓症の既往、喫煙状況、血圧、片頭痛、服用中の薬などが重要な確認事項になります。
医師から質問された内容には正確に回答してください。
年齢や健康状態などによっては、使用できない薬があります。
血栓症などの重大な副作用に注意する
低用量経口避妊薬などでは、重大な副作用として血栓症への注意が必要な製剤があります。
PMDAは、一般の方向けにマーベロン21・マーベロン28の医薬品情報を公開しており、患者向医薬品ガイドなどから服用時の注意点を確認できます。
PMDA「マーベロン21/マーベロン28 一般の方向け医薬品情報」
服用している薬について患者向医薬品ガイドや医師からの説明を確認し、異常を感じた場合は自己判断で対応せず、医師・薬剤師へ相談してください。
性感染症を予防する薬ではない
OCを服用しても、性感染症を予防することはできません。
PMDAのマーベロン21・28の患者向医薬品ガイドでも、この薬はHIV感染やその他の性感染症を防ぐものではないことが説明されています。
避妊と性感染症対策は別の問題なので、ピルを服用しているから性感染症対策が不要になるわけではありません。
まとめ|低用量ピルのオンライン処方は診療内容まで確認する
低用量ピルのオンライン診療は、料金だけではなく安全に診療を受けられる体制まで確認して選びましょう。
低用量ピルは、医師が適切と判断した場合にオンライン診療で処方されることがありますが、申し込めば必ずオンラインで処方されるわけではありません。
特に初診では、厚生労働省が低用量ピルなどのホルモン製剤を「医師が処方すべきでないと判断し得る薬」の例として挙げており、医師による慎重な判断が必要です。
また、避妊を目的とするOCと、月経困難症などの治療に使用されるLEPでは、目的や費用の考え方が異なります。
料金を比較するときは、薬代だけでなく診察料、送料、システム利用料などを含む総額を確認してください。
さらに、診療する医療機関の情報、医師による診察、処方薬についての説明、処方後の相談体制、必要時の対面診療まで確認することが大切です。
低用量ピルのオンライン診療に関するよくある質問
低用量ピルのオンライン診療について、初診・料金・保険適用など利用前に多い疑問をまとめます。
低用量ピルは初診からオンラインで処方してもらえますか?
初診からオンライン診療を受けること自体が一律に禁止されているわけではありません。
ただし、厚生労働省が公開する資料では、低用量ピルを含むホルモン製剤が、医師がオンライン診療の初診で処方すべきでないと判断し得る薬の例として挙げられています。
そのため、患者の状態や得られる情報などをもとに医師が慎重に判断し、対面診療を案内する場合があります。
低用量ピルのオンライン診療は保険適用になりますか?
受診目的、診断、処方される薬によって異なります。
月経困難症などの治療として、保険適用が認められているLEPが処方される場合があります。
一方、避妊目的で利用する場合とは費用の扱いが異なります。
保険適用になるかどうかは、医師の診察を受けて確認してください。
低用量ピルはオンライン診療の方が安いですか?
オンライン診療だから必ず安いとは限りません。
薬代だけでなく、診察料、配送料、システム利用料などが必要になる場合があります。
医療機関を比較するときは、実際に支払う総額で確認しましょう。
オンラインと病院の費用を、薬代・診察料・送料・交通費まで含めて比べたい場合は、ピルはオンラインと病院どっちが安い?低用量ピルの料金・診察料・送料を比較をご覧ください。
低用量ピルはチャットだけで処方してもらえますか?
厚生労働省は、メールやチャットだけで診療することはできないとしています。
問診フォームやチャットが補助的に使用される場合はありますが、オンライン診療では医師による診察が必要です。
低用量ピルの種類は自分で選べますか?
希望や服用目的を医師へ伝えることはできますが、実際にどの薬を処方するかは、受診目的、健康状態、既往歴、服用中の薬などを確認して医師が判断します。
価格だけで薬を選ばず、診察時に相談してください。
主な参考情報
- 厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
- 厚生労働省「オンライン診療について」
- 厚生労働省「オンライン診療で処方を受けるに当たって注意が必要なお薬一覧」
- 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」
- PMDA「マーベロン21/マーベロン28 一般の方向け医薬品情報」
- 国民生活センター「オンライン診療のトラブルにご注意」
※医療制度、医薬品情報、各医療機関の料金や診療条件は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省、PMDA、日本産科婦人科学会、利用する医療機関の公式情報をご確認ください。



